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下肢静脈瘤の痛み

下肢静脈瘤の症状として痛みは代表的なものの一つですが、さまざまな痛み(疼痛)があります。

1.こむら返りに伴う疼痛

こむら返りは初期~中期の下肢静脈瘤に発生する典型的な症状ですが、明け方、まだ寝ている時に激しい痛みを伴って発症することが多く、そのひどい痛みが怖くて夜眠れないと訴える方が多いようです。下肢静脈瘤が原因で、下腿に血液が滞り、乳酸が蓄積することで脚の筋肉が痙攣しながら硬直するのが典型的な症候です。殆どの方は下肢静脈瘤の治療をした直後から嘘のようにこむら返りの症状が消えたと話されます。

2.血管拡張性の疼痛

血液が逆流したり、血管内に溜まったりすることで、生理的範囲以上に血管が拡張すると血管周囲の知覚神経が引き伸ばされて痛みを自覚することがあります。血管がボコボコと膨らむほどまで大きくならなくても、痛みは発生するようで、網目クモの巣状の小さな静脈瘤でも痛みを伴うことは珍しくありません。これらの疼痛はその原因となる拡張した静脈瘤の治療により消失します。

3.血栓性血管炎による疼痛

静脈内に血液がよどみ溜まった状態が続くと、血液中の血小板が凝集して血栓が発症することがあります。血栓の形成に伴い炎症反応が引き起こされ、血栓が発症した血管周囲が赤く腫れあがり熱も発生して激しく傷みます。通常1-2週間で治りますが、下肢静脈瘤が背景にあると一般的には同じような症状を繰り返しながら増悪することがあります。血栓性血管炎の発症を根本的に抑えるにはその原因となる下肢静脈瘤の治療を行う必要があります。

4.浮腫性疼痛

逆流により下腿に溜まった血液は血管を膨らませるだけではなく、血液中の水分が組織の細胞間に滲みだしてむくみを発生させることが多々あります。このむくみにより下腿が腫れあがって痛みを発生させることがあります。それによりリンパ管が壊されるとリンパ管炎が引き起こされて症状がさらに増悪することがあります。

5.深部静脈血栓症による疼痛

これはエコノミークラス症候群と呼ばれることがありますが、狭い場所で長時間動かずにじっとしていると下腿の深部静脈に溜まった血液に血栓ができて脚が腫れあがり発熱と痛みを伴います。深部静脈血栓症の痛みは激しく歩行困難になることが多いようです。血栓が肺に飛ぶと肺梗塞、心臓に奇形がある方は脳にまで飛んで脳梗塞が発症することがあり、軽視できません。下肢静脈瘤が深部静脈血栓症の直接の原因ではありませんが、逆流し、うっ滞した血液が、深部静脈に過負荷を与える可能性は否定できません。深部静脈血栓症の間接的な発症リスクの一つとして下肢静脈瘤の管理は重要と言えます。
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