近年、下肢静脈瘤の日帰り治療を提供する医療機関が増えてきました。
入院した方が安心するという方もいらっしゃるかもしれませんが、治療技術の向上により、下肢静脈瘤は日帰りで十分問題なく安心安全に治療できるようになっています。逆に、全身麻酔や腰椎麻酔を用いる入院治療の方が体への負担が大きく、リスクが大きいこともあるのです。
その点日帰り手術では、導入・覚醒の早い、より軽い麻酔を使用するので、麻酔トラブルのリスクが少なく済みます。また、術後は早めに立ち上がって足を動かす方が、術後の深部静脈血栓症の発症を抑えることにもなります。
以上の点から、入院治療よりもむしろ日帰り手術の方が安全と言えるでしょう。
下肢静脈瘤は基本的には良性疾患ですが、個人差が大きく、病態も複雑であることが多いので、下肢静脈瘤治療に精通した医療機関を選択されることをおすすめします。
以下に、信頼できる医療機関を選択する際のポイントを提示します。
(1)最新の治療機器による治療法にも精通している
下肢静脈瘤治療は日々進化しており、治療法や治療機器の発展には目覚ましいものがあります。一口にレーザーといっても波長やファイバーの質によって治療効果に違いがあり、医療機関が最新の情報をしっかりと把握して患者さんにきちんと情報提供をしているかなどは医療機関の質を見極めるポイントになります。
(2)患者のニーズに応じて複数の治療選択肢を準備している。
下肢静脈瘤は個人差の大きな疾患であり、様々な治療法の中から患者さんの病態に適した治療法を選択しているかどうかが大切です。また、患者さんの希望やライフスタイルに応じた治療法が選択しやすいかどうかも大切なポイントです。
(3)治療のメリットとデメリットをしっかり説明する。
「下肢静脈瘤」の治療にはどういったメリット・デメリットがあるのか。これをきちんと提示・説明してくれ、患者側に冷静な判断をさせてくれるというのは、後の信頼関係にも関わってくる重要な事項です。
(4)治療や手術について、納得するまで説明し、いつでも相談することができる。
患者側にとって、治療・手術には不安がつきものです。その手順や内容・経過などを患者側が納得できるまで、わかりやすく丁寧に説明し、いつでも質問に応じてくれると、病院に対する安心を感じることができます。
(5)下肢静脈瘤の手術経験数が豊富な医師に診てもらえる。
つらい足の状態を改善したくて病院を訪れるのですから、より上手な医師に診てもらいたいと願うのは当然です。症例数の豊富な医師がいる病院をチェックされると良いでしょう。
(6)治療の質について調査し、結果を公開している。
何例治療を行ったという数だけでなく、実際の治療成績や患者の満足度など治療の質がどうだったのか、公開しているということは、それだけ治療技術に自信を持っているというあらわれであると考えられます。
(7)予防法について教えてくれる。
「下肢静脈瘤」について詳しい知識を持たない患者側に対し、その予防法を詳しく教えてくれる病院は、治療・術後のケアもしっかりしているという印象を与えてくれます。
(8)院内は清潔感があり、スタッフの対応は丁寧である。
大事な足の治療をお任せするのに欠かせないのが、病院との信頼関係だと思います。清潔感あふれる院内や病院スタッフの対応は、いわば病院の顔。信頼できるかどうかの入口であると考えます。