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下肢静脈瘤の症状とは?

ある日突然足の血管がぼこぼこと浮き出ていることに気づいた。なんとなく毎日足がだるい、毎晩寝ているときに足がつるなど、徐々に異変に気づいた。…など、人それぞれで症状の表れ方は違います。ではどのような足のサインが下肢静脈瘤のサインの可能性が高いのでしょうか?その症状を詳しく紹介します。

主な症状は?

最もわかりやすく最も問題視される症状は、その特徴的な外見です。「下肢静脈瘤」になると以下のような症状が現れます。

つる(こむら返り)

歩行時もしくは就寝中にこむら返りを起こすことがあります。血液循環が悪い証と言えます。

むくみ、しびれ

静脈圧が高くなってしまったために、血管内から水分が外へ染み出ることにより起きます。
私たちは日常、地球の重力の中で生活をしています。足元に向かって血液が流れるのは重力の力もあり比較的容易ですが、足元から心臓へ向かって流れるのは重力が反作用となるため、容易ではありません。

一般的には、ふくらはぎの筋肉がポンプの役割をし血液を上へ押し上げます。しかし、立ちっぱなしや座りっぱなしなどが続くと、そのポンプ作用が働かず血液が足先にたまるようになり夕方には足がむくむことが多くなります。 こうした運動不足に加えて、下肢静脈瘤がむくみの原因になることがあります。 静脈の逆流防止弁が壊れて、血液が足先に溜まり、その結果むくみが発生します。 また静脈瘤になる、脚に乳酸がたまり、脚がつる、時にしびれるといった症状も出ることがあります。

痛み・かゆみ

痛みや痒みは、下肢静脈瘤とはあまり関係がないと思われがちですが、これらはしばしば下肢静脈瘤の重要なサインになります。 血管拡張・静脈炎・血栓形成により痛みを感じる場合が多々あります。 また、 静脈瘤が発生している周囲は、血液がたまるため湿疹が生じやすく、それにより痒みが生じます。

また、血流の悪くなった皮膚は乾燥し皮脂が欠乏することにより、湿疹はなくても強い痒みが発生する場合があります。 痛みも痒みも静脈瘤の代表的な症状なのです。

皮膚炎、湿疹

足首の周囲や静脈瘤の周囲に起きやすく、皮膚や皮下組織の栄養障害が進むと、皮下組織が繊維性変化を起こし硬くなります。

色素沈着、潰瘍

皮膚が弱く、静脈が拡張しているために何らかの刺激で皮膚、皮下に容易に出血を来します。血液の成分の中に含まれる色素が組織の中に沈着することがあります。また、皮膚が弱いために、傷ができやすく容易に潰瘍化します。皮膚の血液循環が悪いために、潰瘍は極めて治りにくく放置すると徐々に増大していきます。

血管が浮き出る

「下肢静脈瘤」は外見上に特徴がある疾患です。見た目をチェックすることで殆どの下肢静脈瘤の発見が可能です。 例えば、足の静脈がぼこぼこと吹き出ている、または瘤のように膨らんでいる場合は、それは典型的な伏在型静脈瘤の可能性があります。 また、膝裏などに、赤や青色の細かい血管が網目のように広がる網目状静脈瘤・クモの巣状静脈瘤というようなものもあります。

瘤のように膨らんでぼこぼことした状態になる


足のだるさや疲れを慢性的に感じるようになる


強いむくみやこむら返りを起こしやすくなる

一般的に多い症状としては、血液の逆流のため圧が上がり拡張した足の静脈が太く浮き出る、もしくは瘤のように膨らんでぼこぼことした状態となります。また、発症すると、他にもさまざまな症状が現れます。うっ血を起こしているため、足のだるさや疲れを慢性的に感じるようになります。 強いむくみやこむら返りを起こしやすくなるといった特徴もあります。

こんな症状にも要注意

治療に訪れる方のほとんどが、浮き出た血管が気持ち悪いといった外見上の問題を解消することを希望して来院されます。そのため、外見上の問題がそれほどでなければなかなか「下肢静脈瘤」の疑いを持つ方は少ないのが現状です。

しかし、外見上の問題の他にも「下肢静脈瘤」が原因となっている症状は様々です。足の疲れ、むくみ、足のつり(こむら返り)なども代表的な症状ですが、これらは筋肉疲労など別に原因があると考えられ、見過ごされやすいようです。その他にも痛みが出たり、血流が悪くなることによって皮膚炎をおこしやすくなったり、傷が潰瘍化してしまったりします。

その他の症状
◦強度の色素沈着
◦脂肪皮膚硬化症
◦湿疹
◦潰瘍瘢痕
◦活動性潰瘍
◦血栓後遺症
◦虚血性潰瘍

誤解しやすい症状

足が疲れる、むくむ、つりやすいなどの症状=下肢静脈瘤、というわけでは必ずしもありません。同じような症状でも別の病気である場合もありますので、自己診断のみで判断せずに、専門の医師に必ず相談するようにしましょう。

腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアは、神経が刺激されることにより患部だけでなく周囲にも症状が広がり、しびれや痛みといった下肢静脈瘤に似た症状が脚全体に発症します。

閉塞性動脈硬化症
動脈の閉塞により足の動脈が狭くなったりふさがったりするため、血行が悪くなりしびれや冷え・足のつりや痛みなど下肢静脈瘤に似た症状が発症します。

リンパ管炎
リンパの流れが悪くなることにより、下肢が熱っぽくなり、むくみや疼痛などといった下肢静脈瘤に似た症状が現れます。

結節性紅斑
下肢前面に何もしなくても痛みを伴う紅班が多発し、圧痛や倦怠感といった下肢静脈瘤に似た症状が発症します。

慢性湿疹
皮膚状に発疹が現れ、皮膚が厚ぼったくなったり、肌色が汚い褐色になります。痒みという症状が下肢静脈瘤と似ています。

慢性色素性紫斑
下肢に症状が出やすくかゆみ・色素沈着・炎症などといった下肢静脈瘤に似た症状が出ます。

リベド血管炎
下肢に網目状などの皮班が生じ潰瘍を形成することがあります。

下腿筋膜ヘルニア
脚の筋膜(下腿筋膜)が欠損したり脆弱なったりして、内部の筋肉が瘤状に張り出すことにより、下肢静脈瘤のようにボコッとした膨らみができることがあります。