体外照射タイプ(ロングパルスYAGレーザー治療)
体外照射タイプ(ロングパルスYAGレーザー)治療とは、下肢静脈瘤の中でも「網目状静脈瘤」「クモの巣状静脈瘤」といった径3㎜未満の細かい静脈に対する治療に適した治療法です。
以前はこうした細かいタイプの静脈瘤の治療には、硬化療法が主流でしたが、赤~赤紫の細かい静脈には治療鉱が乏しく、治療後の色素沈着がしつこく残ることが問題視されていました。また、術後しばらく圧迫ストッキングを履かなければいけないので治療後のストレスが大きいことも指摘されていました。
体外照射タイプ(ロングパルスYAGレーザー)治療では、細かい血管でも治療ができ、施術後生活制限がなく、弾性ストッキングを履く必要がありません。また、色素沈着も硬化療法に比べれば非常に少なくて済みます。施術時間は30分~1時間程度で終了後はすぐに帰宅が可能です。 針も刺さない治療法なので体への負担はほとんどありません。
特徴
ストリッピングなどの手術やその他の治療に比べ、治療前後での痛みが少ない。治療期間中に、弾性ストッキングや圧迫包帯などの下肢を締め付ける装具を着用する必要がない。美容上の問題となるような表層の小細静脈における静脈瘤に対する治療も可能。
硬化療法から体外照射タイプ(ロングパルスYAGレーザー治療)へ
下肢静脈瘤の一種で、足に発生する赤や青色の細かい血管拡張を網目状静脈瘤、クモの巣状静脈瘤といい、また別名「レッグべイン」とも呼ばれることがあります。これらの静脈瘤はぼこぼこと盛り上がる伏在型静脈瘤や側枝静脈瘤とは違い立体的には殆ど浮き出ませんが、赤や青色の細かい血管が広がり見た目に気持ち悪いと思われる方がとても多いです。
この他にもむくみや痛みなどの症状を伴うこともあります。
下肢静脈瘤は、女性に多く見られる疾患です。特に、編目状・クモの巣状の静脈瘤は、男性よりも女性に多く見られます。欧米では、この編目状・クモの巣状の静脈瘤の患者さんの数がたいへん多く、レッグベイン(leg vein ― 下肢の状静脈)と呼ばれて多くの方がレーザーで治療をしています。
このレッグベインが原因で、『スカートが履けない』、『温泉にお友達と行けない』、『見た目が気持ち悪い』といった悩みを抱えている女性が実は多いのですが、『病気だとは思っていない』、『どこで治療を受ければいいかわからない』ため、病院のカウンセリングを受けていない方が大半と言われています。従来、下肢静脈瘤は入院治療であることが常識だったために、日常生活に影響をきたさない症状の場合は、治療になかなか踏み切れない方が多いようです。
しかしながら、現在では、下肢静脈瘤は日帰り手術で治療可能であり、特にロングパルスYAGレーザーを使用すると、編目状・クモの巣状の細かい静脈瘤はストレスなく治療ができます。YAGレーザー治療は、手術が1時間程度で済み、術後すぐ帰宅することができます。また、頻繁な通院もなく、施術後はすぐ日常生活に復帰することもできます。体への負担も少ない治療法です。
スーパーフォト
ロングパルスYAGレーザーよりも体に優しい治療ですが処理される血管が限られます。
スーパーフォト皮膚へ特別な波長の光を照射することで、一般に光治療(IPL療法)と呼ばれます。スーパーフォトは、光治療の中でも最も新しい治療機器で、パルス幅の長い多くの波長の光を肌表面に同時に照射することで、皮膚の新陳代謝や再生能力の改善をはかる効果があります。このため、スーパーフォトは、肌年齢を若返らせる美容の目的でも広く行われている治療法です。
下肢静脈に対しては、皮膚の中に存在する小さいタイプの毛細血管拡張症や表面の血管拡張に対して効果があり、クモの巣状や網目状静脈瘤のなかでも、径が1mmに満たないような微細な静脈瘤に対し、周辺の皮膚を傷めることなく治療することが可能です。
特徴
皮膚にほとんどダメージを与えることない。局所的に異常血管を治療することが可能。
Q:レーザー治療の安全性は大丈夫ですか?
A:レーザー治療に習熟した専門医の施術であれば、問題はありません。 レーザー治療は、血管疾患の患者数が多いアメリカやヨーロッパで、1996年頃より下肢静脈瘤の治療として開発研究・普及してきました。この治療法は体に与えられるダメージが少なく、傷跡も目立たないので美容的な面から言っても優れているといえるでしょう。
日本でも最近この治療法を提供する医療機関が多くなってきましたが、体外照射タイプのレーザー治療を受けられる機関まだまだが少ないのが現状です。また、レーザー治療に対するきちんとした知識と技術を持たないで施術をおこなった場合、事故に繋がることがあります。専門の知識・技術を持った医療機関に治療の相談をされることをお勧めします。