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血管内高周波焼灼術

血管内治療の代表的な施術法であるレーザー焼灼術に加えて、特に米国では高周波焼灼術が血管内治療の治療法の一つとして大変普及しています。本邦でも2014年7月から保険適用となり今後の普及が見込まれる治療法です。

血管内高周波焼灼術

概況

高周波は、ラジオ波、略してRFとも表現されることがあり、高周波焼灼術は、高周波アブレーション、ラジオ波焼灼術、RF治療などと称されます。現在、「血管内レーザー焼灼術」という表現が定着していますが、以前はエンドレーザー治療、血管内レーザー治療と呼ばれることが多かったのと同様に、高周波を用いた血管内治療も複数の呼び名で表されることがあります。

血管内高周波焼灼術(高周波アブレーション、ラジオ波焼灼術、RF治療)

特徴

血管内レーザー焼灼術と同様に、弁不全により深部静脈から血液が逆流している伏在静脈の内部を閉鎖して逆流を止める治療です。
レーザーは血管内へ挿入した細いレーザーファイバーの先端から血管内へレーザーを照射してレーザービームが血管壁の細胞に吸収される性質を利用して血管を閉鎖します。高周波はレーザーと同様に細いファイバーの先端を高熱にして熱変性により血管を閉鎖させます。

レーザーと異なるところは、ファイバーの先端7㎝ほどの部分全体が高熱になり作用するため、血管壁が一様に閉鎖することが期待できる点です。レーザーはファイバーを牽引する速度によっては血管内の処理にムラができることがありますが、高周波は一定の時間一様の温度(120℃)で処理ができるため反応にムラが少ないと言えます。

しかし、拡張径が大きい血管には反応が不十分な可能性があるのと、処理範囲が短い場合は使用しにくい点が指摘されます。これらの懸念点が今後改善される可能性はあります。 いずれにしてもレーザーと同様に保険収載されているため多くの医療機関が高周波治療機器を導入していくことになるでしょう。 1470nmラディアル2リングファイバーレーザーと同様に今後の治療成績の検証が重要です。