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高位結紮術

弁が壊れて血液の逆流を起こしている静脈を、脚の付け根でしばって切り離し、逆流を止める下肢静脈瘤の治療方法を高位結さつ術といいます。この治療法の利点と懸念点を見ていきましょう。

高位結紮術

高位結紮術とは、逆流の発生源である鼠径部(そけいぶ)の静脈部分的に切除し(とりのぞき)、断端を縛って(結紮)、血液の逆流を止める治療方法です。
まず、局所麻酔を施した後、鼠径部(脚の付け根)を切開し、患部である静脈を長さ5cm程切除します。その際に血管の断端を縛って逆流を完全に止めます。切開部分の傷はストリッピング手術のものより小さく、また、局所麻酔であるため日帰りの治療が実施できるというのが、高位結紮術のメリットです。
しかし、高位結紮術は、根治性に乏しく、再発の危険性が相応に大きいと言えます。そのため、複数切開を入れて処理する血管の部位を増やし、硬化療法と併用することが多いようです。

高位結紮術の利点と懸念点

高位結紮術は患者さんへの負担が小さく外来治療で可能だという利点がある一方で、これだけでは静脈瘤が十分に治らなかったり、再発率が高いため、症状が比較的軽度な症例に採択されます。硬化療法との併用で再発率は低くなりますが、それでも相当数が再発するため、この方法は姑息的治療と考えられています。

Q:全身麻酔は怖いのですが…

A:高位結紮術は局所麻酔のみで、全身麻酔は行いません。
全身麻酔は、患者さんの全身状態などの影響で肺炎などといった合併症(偶発症)が起こる可能性がありますが、局所麻酔でそのようなことはありません。 局所麻酔で用いる麻酔薬も日々進化を遂げていて、局所麻酔が重篤な合併症を発症することはほぼありません。全身麻酔と違い意識を保ったままで治療ができ、終了後すぐに動けます。麻酔が覚める時の不快感もありません。