ドクターがNPO法人の立場から下肢静脈瘤の専門医療機関を紹介

■ 比較 ■

最近国内で最もシェアが大きいと思われる1320nm のレーザーと、 最新の980nm、2000 nmレーザーの血管への反応の違いを手術で採取したヒトの血管を用いて比較しました。

■ 結果 ■

血管への反応はどれも大差がありませんでした。 ただし血管を処理するスピードは2000nmが最も優れている印象を受けました。

下肢静脈瘤血管内治療に用いられる昨今のレーザー機種は非常に進化しており、ほぼ完成型と言える機種が数機種認められます。 すなわち、レーザー治療が開始された当初は、機器によって治療効果に大きな違いが認められましたが、最近はレーザーの機種の違いよりも、治療を担当する医師（血管外科医）の技量（手術適用・治療法選択における手腕・治療経験）が治療成績を決める大きな要因と言えるでしょう。

国際学会や国内の学会では、1320nmのNdYAGクールタッチレーザーでの下肢静脈瘤治療に関して、今まで1000例以上の報告があり、その治療成績および患者満足度は極めて高いことがわかってきました。 また、最近、1320nmレーザーより使い勝手に優れ、レーザー照射時間も短くて済む、他のレーザー機種も登場してきました。

それら最新型のレーザー治療の治療効果に関しては、手術で採取したヒトの静脈血管の中に血液を注入して実際の体内の状態に模した血管モデルを作り、それらの最新型、各種レーザーの照射テストを行って、血管の内膜・中膜・外膜の変化・ダメージを肉眼での確認、病理組織学的にも比較テストが行われています。

その結果は、980nmダイオードレーザーや2000nmレーザーが、1320nmのレーザーと同等もしくはそれ以上に有効な治療効果を示し、かつレーザー照射時間がより短くて済むことがわかりました。

1320nmも含めて血管内レーザー治療の長期的な治療効果に対する検証は継続していく必要がありますが、血管内レーザー治療を積極的に取り入れ、国際的にも有数の実績を誇っているクリニックにおいては、現時点では2000nmのレーザーが最も有望視されています。

現在日本で大きなシェアを誇っている1320NdYAGレーザーの他には
① 980nmダイオードレーザー
② 1470nm半導体レーザー
③ 2000nmレーザー
などがあり、いずれも治療効果は保証されています。それぞれの波長で水、血液への吸収率が異なるため、レーザーの波長が治療効果に大きく影響すると判断されておりますが、レーザー機種は複数の会社で完成型と言えるレベルのものを提供してきており、現在はより良いレーザーを選択することは勿論ですが、それ以上に、確実で合併症がなく短時間で治療が行えるよう治療のソフト面の工夫や改良が極めて重要となるでしょう。