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下肢静脈瘤の予防

下肢静脈瘤の再発率は?

下肢静脈瘤を治療するにあたって、皆さんが気になることの中に再発の心配があるかと思います。残念ですが下肢静脈瘤は、最初にどんなに適切な治療を施したとしても、治療後10年以上経過すると10~20%の再発率があることが分かっています。静脈瘤の治療は日々進化をしていますが、まだ完全に再発をなくすところまでは至っていないのが現状です。したがって、再発を防ぐために、私たちの日頃からのセルフケアが必要になるのです。

予防策まとめ

予防法として最も重要なのは、深部静脈圧が増大することにより表在静脈が深部静脈に合流する弁への血液圧が大きくならないようにすることです。 そのためにまずは血液自体が重くならないこと、つまり、血液中の水分が枯渇したり、血液の粘度が大きくならないようにすることが重要です。 ドロドロの血液にならないように緑黄色野菜を豊富に含んだバランスの取れた食生活を心がける、感染症にかからないようにする、太り過ぎないようにすることも大切です。 また、深部静脈の圧には重力も関与します。立ちっぱなしの時間が長すぎるのも避けるべきです。

予防策のポイント

1.十分水分を摂取する。
2.緑黄色野菜を十分に含むバランスのとれた食事に心がける。
3. 狭いところでじっとすることは避け、足首を回したり、背伸びをしたりなどこまめに動く。
4.深呼吸を励行する。
5. 適度な運動を習慣づける。
6.立ちっぱなしを避ける。
7. 十分な睡眠をとる。
8. 太らない。

予防策1: 足を高くして寝る

心臓へ向かって流れようとする血液は、常に重力がかかり下へと引っ張られています。それを支えているのが静脈内にある逆流防止弁です。この逆流防止弁が血液を支えきれずに壊れてしまうことで静脈瘤は発症してしまうので、なるべく弁に負荷がかからないように、重力の負荷を軽減してあげるのがポイントです。 例えば、就寝時に足を少し高くするのが良いでしょう。それにより足元から心臓へ血液が流れるのに重力が悪さをしなくなります。

予防策2: 弾性ストッキングを使用する

下腿に圧がかかる弾性ストッキングの着用も有用です。人工的に脚全体を圧迫し、血管拡張を抑えて筋肉ポンプの働きをサポートします。それにより重力の影響を軽減できます。

予防策3: 肥満を解消する

下肢静脈瘤の発症には、肥満も原因の一つになります。体が太り過ぎてしまうと、腹圧が上がります。そして、この腹圧が上がると深部静脈の圧が高くなってしまい、逆流防止弁にかかる負荷も大きくなります。それがもとで弁が壊れて、静脈瘤を発症させることになってしまうのです。また、内臓脂肪が増加することで横隔膜の動きも悪くなり深部静脈内圧が大きくなることも悪影響となります。